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【ラグビー部】届かなかった2点 慶応に4年ぶりの敗戦/関東大学対抗戦

◆9・16~12・3 平成29年度関東大学対抗戦リーグAグループ

▼10・28 対慶応戦(秩父宮ラグビー場

明治26{7-21、19-7}28慶応〇

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試合終了直後、肩を落とす選手たち

 対抗戦4戦目は、同じくここまで3戦全勝の慶応との対戦。前半は先制点を挙げたもののディフェンスで後手に回り、マイボールを確保できない自陣の時間が続く。7―21で迎えた後半、リザーブメンバーの投入もあり攻撃のテンポを上げた明治。フルバック髙橋汰地(政経3=常翔学園)の2トライで一時は同点に追い付いたが、最後はゴールキック1本差で惜敗。慶応相手に4年ぶりの敗戦となった。

 

スコア以上の劣勢

 思い描いた逆転劇は起こらなかった。21―28で迎えた後半40分、敵陣深くのマイボールスクラムからFWがフェーズを重ね前進すると、つないだ左フランカー前田剛(営4=報徳学園)がトライ。昨年の逆転勝利をほうふつとさせる土壇場の追い上げを見せる。しかし、ここで松尾将太郎(商3=東福岡)のゴールキックが外れ、2点リードを許したままロスタイムへ。再び自陣からアタックを試みるもターンオーバーされ、最後は相手がボールを蹴り出し26―28でノーサイド。「絶対に決めないといけなかった」(松尾)。決して難しい位置からのゴールキックではなかっただけに、外した2点の代償は大きかった。

 「誰か一人のミスで勝敗が分かれるチームは日本一にはなれない」(左ロック古川満主将・商4=桐蔭学園)。個人的なミス以上に大きな敗因となったのは、ボール支配率の低さだ。特に前半は右センター鶴田馨(営4=筑紫)の先制トライこそあったものの、終始自陣を脱することができず。相手フルバック丹治(慶応)のキックパスを起点としたアタックへの反応の遅れや、ブレイクダウンの寄りの遅さからターンオーバーされる場面も多く見られた。「自分たちのスタートのエンジンがかかるのが遅かった」(右プロップ祝原涼介・情コミ3=桐蔭学園)と前半に課題を残した。

 

ゲームプラン確立 

 筑波大戦を含め、前半のロースコアを想定した上で後半から勝負を利かせられるようになっていることは確かだ。80分間走り切れるフィットネスの向上とリザーブを含めた層の厚さの象徴と言えるだろう。だが「いつも後半で明治のリズムになっていたので、どうせ行けるだろうという空気もあった」(髙橋汰)と実力差以上に点差が開いてしまっては、今回のように猛追しても埋め切れない。控える帝京大との一戦に向けても、最後の20分間の戦い方を重視したゲームプランが求められるが、あくまで前半から得点力で引けを取らないことが大前提になる。また、今季に入り散見されているキックオフボールの獲得ミスが、この試合でも失点を生んでいる。どんな小さなミスからでも得点につなげるチャンピオンチームを想定した戦い方を身に付ける必要がある。

 

 試合後は悔しさから涙を流す選手も見られたが「シーズンが終わったわけではない」(スクラムハーフ福田健太・法3=茗溪学園)。まずは1週間後に控える日体大戦にこの負けをどう生かすのか。今シーズンのテーマでもある「マインドセット」の真価が問われる。選手たちに下を向いている暇はない。

 

[横手ゆめ]

 

          ◆対抗戦 対慶応戦の先発メンバー&リザーブ
1. PR  久原 綾眞(政経4=佐賀工)→17.安(後半22分) 9. SH 福田 健太(法3=茗溪学園)→21.三股(後半31分) 16 大塚 健太郎(商2=国学院栃木)←2.朴(後半0分)
2. HO 朴 成浩(政経4=大阪朝鮮)→16.大塚(後半0分) 10. SO 忽那 鐘太(文3=石見智翠館)→22.松尾(後半7分) 17 安 昌豪(営2=大阪朝鮮)←1.久原(後半22分)
3. PR 祝原 涼介(情コミ3=桐蔭学園 11. WTB 渡部 寛太(文4=愛媛県立北条) 18 吉岡 大貴(農4=日向)
4. LO 古川 満(商4=桐蔭学園 12. CTB 森 勇登(政経1=東福岡) 19 箸本 龍雅(商1=東福岡)←5.舟橋(後半15分)
5. LO 舟橋 諒将(文3=札幌山の手)→19.箸本(後半15分) 13. CTB 鶴田 馨(営4=筑紫) 20 佐藤 諒(政経2=国学院久我山
6. FL 前田 剛(営4=報徳学園 14. WTB 宮嵜 永也(営3=長崎北陽台)→23.山村(後半12分) 21 三股 久典(政経4=佐賀工)←9.福田(後半31分)
7. FL 井上 遼(政経3=報徳学園 15. FB 髙橋 汰地(政経3=常翔学園 22 松尾 将太郎(商3=東福岡)←10.忽那(後半7分)
8. No.8 坂 和樹(政経2=明大中野八王子     23 山村 知也(営2=報徳学園)←14.宮嵜(後半12分)
           ◆関東大学対抗戦Aグループ星取表◆
  明治 帝京大  早稲田  慶応  筑波大  青学大  日体大  成蹊大  勝敗
明治   11/18 12/3 ●26-28 ○68-28 ○108-7  11/5 ○87-0 3勝1敗
帝京大   11/18   ○40-21 11/5 11/26 ○89-5 ○70-3 ○70-0 4勝
早稲田 12/3 ●21-40   11/23 ○33-10 ○94-24 ○54-20 11/5 3勝1敗
慶応 ○28-26  11/5 11/23   ○43-26 12/3 ○49-22 ○61-7 4勝
筑波大 ●28-68 11/26 ●10-33 ●26-43   11/5 ○41-10   11/12 1勝3敗
青学大 ●7-108 ●5-89 ●24-94 12/3 11/5   11/18 ○26-19 1勝3敗
日体大 11/5 ●3-70 ●20-54 ●22-49 ●10-41  11/8    11/25 4敗
成蹊大 ●0-87 ●0-70 11/5 ●7-61 11/12 ●19-26  11/25   4敗

 

試合後のコメント

左ロック古川満主将(商4=桐蔭学園

「悔しいという気持ちが第一です。前半の悪い流れを前半の中で修正できなかったところとブレイクダウンで圧力をかけられてしまったことが敗因です。敵陣でプレーする時間も少なくディフェンス時間も短かったと思います。慶応はFWが強いのでセットプレーとディフェンスでしっかり体を当てることを意識していました。ハーフタイム時は、前半終わってしまったことは仕方ないので後半にもう一度明治のスタンダードに戻って、相手に向かっていこうという話をしました。あとは、昨年は22点リードされている中で巻き返したのでまだまだ諦める点差ではないということを話したうえで後半の入りを意識しました。明治の細かいミスに付け入れられたり、明治のタックルのバインドやダブルタックルが上手くできず、逆に慶応さんのほうができていたりしてスコアを取られてしまいました。(後半のゴール前スクラムは)準備していたサインがあったので、それをまずやろうと話しましたが自分たちが予想していたほどに良い球が出なかったので、そこも修正したいです。最後のターンオーバーもありましたが、誰のミスとかではなくチームで良い状況を作り上げることができなかったというのが負けた理由だと思います。誰か一人のミスで勝敗が分かれるチームは日本一にはなれないと思いますし、日本一になる資格はないと思っています。個人的なミスは本人が一番分かっているので、各自が次の試合に向けて準備をして挑みたいです。FWの近場の精度が第一、あとはBKの外のディフェンスとコミュニケーションは重点的に修正していきたいです。ここでぶれずに、今まで通り自信を持って試合に挑めば問題ないと思います。不安になっている選手がいればしっかりケアもしますし、明治の方向性が一つに向けるよう頑張ります。この負けは大きいですが、日体大戦は勝つ形を意識しながらレベルアップできるよう頑張っていきたいと思います」

 

右プロップ祝原涼介(情コミ3=桐蔭学園

「慶応さんに前半からアグレッシブに差し込まれてしまったことと前に出られてしまったことが一番の敗因だと思います。試合前にFWはいつも通り前半は体を当ててエリアを取っていこうと話していました。ですがそこで十分にエリアを取れなかったこと、さらに慶応さんにどんどんゲインラインを切られてしまいました。慶応さんのFWは強くて、ディフェンスも相手がそろっていたので、自分たちもあまりゲインが切れなかったです。サポートのところの寄りやリアクションの部分で自分たちのスタートのエンジンがかかるのが遅かったです。そこにうまく付け込まれてしまったかなと思います。タックルは単純に自分たちが真っ直ぐいき過ぎたので、もっとステップを使ったりずらしたりすればゲインできたかなと思います。帝京さんもそこを狙ってくると思うので切り替えて修正していきたいです。反省としてはスクラムの部分で、マイボールは全て取ったのですが安定はしていなかったです。そこを修正しなければいけないということと、最初のリアクションでラインアウトのオーバーボールに反応できませんでした。もっと入りの部分を意識してやりたいと思います。また初心に戻って、FWのコンタクトで前に出てテンポをつくればBKでトライを取れると思うのでそのリズムをつくっていきたいです」

 

スクラムハーフ福田健太(法3=茗渓学園)

「チームとして今年いい感じに仕上がってきていて、いざ慶応となった時に今まで上昇してきていたので負けてしまって今は悔しさが大きいです。ショックもありますしみんなも自信なくなってしまっているなと感じるのですが、そこはまだまだシーズン中なのでここからあと3試合しっかりと戦って大学選手権でもう一度リベンジします。負けて学ぶということもあると思うのでタイトなゲームの中で生かせるところは生かしていきます。相手の接点のフィジカルバトルのところで明治のFWも強いのですが、受けてしまってカウンターも食らってしまいました。明治の強みはボールキープとキャリーの部分だと思っているので、ああいった形でボールを失ってしまったらやっぱり勝てません。ブレイクダウンのスキルをもう一度見直していきます。梶(村)さんは精神的支柱にもなってくれますし、ゲームメイクもしてくれるのでいるのといないのではだいぶ違うのですが、森もいいものを持っているのでしっかりとプレーしてくれました。後半明治のペースに持ち込んだのですが前半の入りのところは良くなかったので入りは早く修正していかないといけません。筑波戦もそうですが前半で圧倒できたところがなかったので、これからもう一度話し合いながら立て直していきます。チームとしても暗い雰囲気もありますがすぐ切り替えていきます。シーズン終わったわけではありません。もう一回リフレッシュして悪いところはどんどん直していきたいと思います」

 

右センター鶴田馨(営4=筑紫)

「とにかく悔しいです。どっちとも必死にプレーしていたのですが80分間通してチームとしてやろうとしていることが慶応の方が上回っていました。フィジカルの部分でも慶応はしっかりとファイトしてきたのでそこで受けてしまいミスにもつながりました。ブレイクダウンのミスが結局点数になってしまいました。負けたことはしっかりと受け止めて特に自分は最後ミスして終わってしまったので申し訳ない気持ちもあります。でも次につながる収穫の部分も確かにあるので悔しいですがプラスと捉えて、帝京に絶対に勝てるように頑張ります。慶応はBKにいっぱいキーマンがいる中で、そのキーマンを抑えようと話をしててそこはできていたと思います。試合の入りの部分でお互い元気な時に慶応の方がうまく攻撃してきて後半に入っても集中力を切らさずぶつかってきたのが敗因の一つだと思っています。自分のトライは森が仕掛けてきて空いていたスペースに走りこんだだけです。出てないメンバーのことを考えるとやっぱりきつい状況でも走って戦うのが自分の役割だと思っています。梶(村)がいない中で自分がゲームを作っていきたかったのですが、きつくなった時に流れを変えることもできればよかったです。まだ帝京に勝てば全然可能性もありますので反省して次勝っていきたいです」

 

フルバック髙橋汰地(政経3=常翔学園

「今までやってきたことを最後まで出し切れなかったです。改善点はあると思うのでここから全部勝つつもりでしっかり準備したいです。前半はフィジカルバトルになって力の差はそんなに出ないかなと思っていたんですけど、思ったより自分たちのタックルミスが出てしまったし食い込まれすぎたかなと。後半勝負っていうのはあったんですけど、もっと前半から戦っていたら違う結果になったかなと思います。今日はチーム的なディフェンスの部分で負けていました。タックルしているけれど食い込まれてしまったことが多かったです。ハーフタイムは後半勝負で、BKはFWをオーガナイズしてしっかり指示を出していこうという話をしました。(トライシーンは)2本ともBKが良いサインチョイスを出してたまたま自分がトライしただけで、チームでコミュニケーションを取って取れたトライでした。一人一人の強さのところでフィジカル負けしたかなと思います。(キックは)早く落下地点に行ってクリーンにキャッチしてから判断しようと決めていたんですけど、裏越してしまうこととかあったのでもう少し早く判断して動くことと、精度が良くなかったのでカウンター行くにしろキックするにしろもっとレベルアップしないとダメですね。相手の丹治選手は試合中みんなで声を掛け合ってかなりマークしていました。ラインブレイクされることはあまりなかったんですけど、一人目で止め切れないところがあるのでさすがだなとは思いますけど、しっかり前で止められたら明治のペースになったかなと思います。いつも後半で明治のリズムになっていたので、どうせ行けるだろうという空気もあったと思います。でもそこは自分たちはチャレンジャーだという意識を持ってこれからの試合に臨まなきゃいけないなと思いました。今日出た課題を一つ一つ潰していって良い状態で日体大戦に臨みたいです

 

箸本龍雅(商1=東福岡)

「後半でアタックにインパクトを与えるために入ったのですが、もう少し自分でもやれるところがありました。それと絶対ミスしてはいけないキックオフで味方の選手とのコミュニケーションミスで相手のトライにつなげてしまいました。後半大事な時間帯でのミスは防げたと思うのでしっかり修正してやっていきたいと思います。慶応のFWは大体二人でタックルに入ってきました。ずらして当たるということを意識して次からやっていきたいなと思います。スクラムはビデオをまだ観ていないので分からないのですが、自分自身としてはいつも練習してきたことが出せなかったかなと思います。慶応はボールを持ったらすぐそこにファーストタックラーがいて、ずらすのが難しかったりだとか、一人目をずらしても二人目が絡んできてダウンした時にすぐボールに絡まれる部分があったりしてやりにくかったです。今日の反省はアタックの継続の部分で、ブレイクダウンでマイボールを継続できずにターンオーバーされてしまう場面です。そこでアタックを継続できるようにやっていければ良い試合ができると思います。来週は日体大戦があるので、しっかり今回の試合から修正して勝ちきりたいなと思います」

 

松尾将太郎(商3=東福岡)

「自分の責任です。最後ゴールを決めるところは23人分の責任を1人で背負っているわけで、それを果たせなかったというのは自分のせいで負けたということだと思っています。焦りはなかったですけど、あそこで決めるメンタルというのがないと今後さらにきつい試合になっていきますし、絶対に決めないといけませんでした。前半はセットが遅くて取れるところを逃したり、ミスからトライにつなげられたりしていました。あとはブレイクダウンでファイトされてきれいな球が出せなくて、ペースを持っていかれていました。BKのブレイクダウンところは特にもう一枚が寄れていなくてターンオーバーされている場面が多かったです。前半ほとんど相手ボールで攻められ続けて、ディフェンスし切れずに失点してしまっていました。相手に付き合ってしまっていたと思います。慶応伝統の低いタックルがすごく突き刺さって、向こうのアグレッシブさに少し受けに回ってしまった部分もありました。後半から入ったら、どんどん仕掛けて球を外に振ってチャンスメイクしようと思っていたので、チームを勢いづけられたという部分では良かったと思います。ここからはやってきたことを信じて継続するだけですし、あとは個人の問題。チームの信頼を取り戻せるようにやっていきたいと思います」

山村知也(営2=報徳学園

「負けてしまったのは悔しいですがここで終わりではないので、今日出た修正点を今後に生かしていきたいです。前半は堅さがあるというか相手にボールを渡してしまうシチュエーションが多くて、ボールを継続できなかったことがしんどい時間につながったかなと思います。ハーフタイムはボールキープとか細かい動きやコミュニケーションのところを話し合いました。後半は前半よりキックを減らしてボールキープを意識して良いアタックできていたシチュエーションもありましたが、勝ち切れなかったのでまだまだ課題はあると思います。(BKのコミュニケーションは)ボールを振れていて良いところもあったんですけど、FWの連携のところでBKで直接勝負できるところをFWを一回挟んでしまったりと、BK同士でコミュニケーションが取れていないところもありました。タイトな試合になるとそういう一個一個が命取りになるので、しっかり修正していきたいです。自分は後半途中から出てきて流れを変えようと思っていたんですけど、良いシチュエーションや流れを作れなくて悔しいです。慶応はもちろん強いと思っていたので、自分たちのやるべきことをしっかりやり切れなかったことが敗因かなと思います。慶応のブレイクダウンの一つ一つの激しさや僕たちにボールを継続させなかったことが僕たちの敗因です。久しぶりに紫紺を着ることができたので、これからも調子を上げていってチームの勝利に貢献したいです」